関さんにとっての、ビーズという素材の魅力についてお聞かせください。
関さん:
一番の魅力は、ビーズが持つ独特の“輝き”ではないでしょうか。アメリカで初めてビーズフラワーを見たときに、立体的、かつ多面的な輝きに圧倒されたことを今でもよく覚えています。ビーズはほとんど劣化しないので、その輝きが半永久的に続くところにもロマンを感じずにはいられません。例えばこのクリスマスツリーは10年以上前に作ったものですが、その頃と全く変わらない煌めきを放っています。オーナメントをプラスしたり、モールを取り替えたりとリメイクしながら、毎年飾って楽しんでいます。
「ビーズのお花たちに囲まれていると、次第に心が潤っていくような気がするんです」と、笑顔で語る関さん。
ビーズとの出会いのきっかけはビーズフラワーなのですね。実際にご自分で作られるようになったのはいつ頃なのですか?
関さん:
アメリカ在住中に習い始めました。まずは小さなお花を作ることからのスタートでした。今までに様々な作品を作ってきましたが、初めて自分の手で完成させた立体のビーズ作品は、何を隠そうクリスマスツリーなのです。今までに幾つものツリーを制作してきましたが、やはり今でも特別な思い入れのある作品ですね。クリスマスシーズンが巡ってくるたびに、初めて完成させたときのなんとも言えない高揚感や達成感を思い出します。その喜びを何度も味わいたくて、今でもビーズフラワーを作り続けている、と言っても過言ではないですね。
モミの木の尖った葉の形は、輪を繋ぐことで緻密に再現。小さなオーナメントまで手作り。
関さんの作品を拝見していると、繊細な細工の中に躍動感を感じます。制作の際に参考にされているものを教えてください。
関さん:
子どもの頃から、お花や植物が大好きなのです。初めて見るお花に出会うたびに、ビーズでこのお花を再現するにはどうしたらいいだろう?と、そればかり考えてしまって(笑)。面白いことに、花びらやがくなどの細部を忠実に再現しても、本物に近づけるとは限らないのです。色々と試行錯誤してきたのですが、思い切って大胆に色やフォーミングを変えることで、突如ビーズフラワーに生命が宿る瞬間があります。ビーズだからこそ表現できる、新しい魅力が生まれる。そこが、ビーズフラワーの奥深さだと思います。
赤や紫といった鮮やかな色を用いると華やかに。キャンドルスタンドなどのアレンジは贈り物にも喜ばれます。
アクセサリーでも素晴らしい作品を多数生み出していらっしゃいますね。それぞれの魅力、制作において意識の違いなどがあればお教えください。
淡いグリーンでまとめたアクセサリー。色のトーンをそろえ、ガラスやアクリル、パールなど様々な素材や質感で変化をつけて。