歴史上の人物や時代のトレンドを
創作のインスピレーションに

坂本龍馬など、表現するテーマを決めて作られた作品が多数ありますね。

平口さん：
歴史上の人物やその方にまつわるエピソードに刺激を受けると、作品として再現したくなります。幕末や戦国時代など、日本の運命がガラリと変わるような激動の時代に惹かれることが多く、ドキュメンタリーやドラマ番組を見たり、本を読むなどして見識を深めています。そこで得た知識を、可能な限り反映していくのが楽しいですね。この坂本龍馬クマさんは、とことんリアリティにこだわりました。家紋もそっくりに作りましたし、着物の生地は龍馬さんが着用したとの説もある播州織り。彼の活躍していた場所を知りたくて、長崎の亀山社中も訪ねました。

毎年、干支に合わせた新作を作るのが平口さんの慣例。空想上の存在である辰を、親しみ溢れるぬいぐるみに。「ちょっとふんぞり返った姿勢とヒゲのカールがポイントです。」

最後に、テディベアやぬいぐるみ作りに興味があり、これから始めてみたいと思われている初心者の方にメッセージをお願いします。

平口さん：
ぬいぐるみと日々接していると、自然に心が和みます。また、無心で手を動かすことも大きなリラックスにつながるのです。創作する時間に癒され、完成した作品にもまた癒される。自分はもちろん、家族や友だちなど作品を見る人にも自然と笑顔を運ぶ、それがぬいぐるみの大きな魅力だと思います。夏休み期間に開催する一日店頭講習では、子どもたちが目をキラキラさせてぬいぐるみを作り、立派に完成させて喜んでいるところを見ると、本当にぬいぐるみ作りを続けていて良かったと思います。ぜひ一度、世界に1つだけのぬいぐるみを作ってみてください。

金屏風の前に２体を並べれば、ユニークでおめでたい干支飾りに。

顔の角度や鼻の位置にも、それぞれ個性が。4体の表情の違いを楽しんで。

屏風と弓太刀揃を合わせれば、五月人形としても大活躍。